優しくて、でも強引な口づけだ。


「ん・・ふ・・・」


「ヒオリ・・」


唇を離すと、センリは私を見つめる。

鼻と鼻がぶつかっている。それくらいの至近距離だった。


「約束して。コレを探さない、この事は心にしまうって」


「で、でも・・」


「でないと、嫌いになっちゃうよ」



ズキン


なんてズルい作戦だ。

私が嫌いになれないことを知っている様に。




「この世界に来てしまったヒオリには・・せめて住んでた時代に居た時みたいに幸せに暮らしてもらいたい。平凡な生活をしてもらいたいんだ」



そう言って何度も何度も抱きしめてはキスをする。



「俺は出会った時からそう思ってる。お前を見た時から」


「そんな・・ずるいよ・・」


なんなんだこの男は。

なんでこんなに心の中に入ってくるんだ。

本音なのか嘘なのかわからない。だがグイグイと入ってくる。


私はそれを拒むことなんて出来るはずないのに。