「詮索をすれば、きっと危険な橋を渡る事になる。ヒオリが捕まってしまう可能性だってある」


「そ、それはそうだけど・・・」


「俺は嫌だ。もう・・何も失いたくない」


ぎゅううっ


と更に力を入れるセンリ。


「ただでさえ生きていくのに大変なのに・・・」


「でも・・一年前なら生きてるかもしれないでしょ!?女の人だったら、捕まっていたとしても殺されはしないでしょ!?」


「そうだけど・・どうやって城の内部を調べるって言うんだ?誰も入れないのに」



「あ・・」



そうか。一般人は城には簡単に入る事なんて出来ないんだ。

忍び込むしかない。




「絶対にダメだ。ヒオリ・・それだけは」


「センリ・・」


センリにはお見通しだ。





センリは体を離すと私をベッドへ倒した。



「え・・」


上から見下ろされる。




ドクン




何?センリ・・・変だよ・・こんなセンリ知らない。


その目は憂いに満ちていた。

助けをすがるような感じにも見て取れた。


「何処にも行かせない・・」


「・・んっ」


センリは自分の唇を私の唇に重ねた。