「これ・・・」


私は手に持っていたスマホをセンリに見せる。

するとセンリはすぐに私の手から奪うようにスマホを取った。



「どうして黙ってた?」

「そっちこそどうして教えてくれなかったの!?こんな重要な事」



私とセンリは睨み合う。

知ってたなら教えて欲しかったよ。

どちらかと言うと怒りが勝った。



「読んだのか?」

「読んだよ」


私の答えを聞くと、センリはベッドへ腰を下ろした。


疲れたように眉間に指を抑える。


「どうして・・センリ・・」


「ごめん。驚かせたくなくて」


「何よそれ。これ、いつ何処で手に入れたの!?」



私の形相はけっこう不細工になっている事だろう。

怒りと悩みと色んな事が顔に顔に現れてる。



「それを拾ったのは1年前。西の国で」


「西!?じゃあそこにこの持ち主がいるの!?」


「いや、それはわからない。拾っただけだから」


「え?」


「街に落ちていたのを拾っただけだ。」


ではセンリは何も知らないという事か。


「じゃあ、この人・・・」


「考古学の学会でも、ニュースにもなっていないし。恐らく捕まったんじゃないかな」


「え!?」


ドキン

と脈打つ。


「じゃ、じゃあ助けないと」


「何処いるかもわからないんだぞ?」


「でも・・」



ぎゅっ!!


とセンリはいきなり私を抱きしめる。





「ちょ・・センリ!?」


「余計な詮索はするな・・頼むから」


「センリ?おかしいよだって・・・」


「お前を失いたくないから」



な、なんですと。


その言葉に逆に驚く私だ。