「色々、聞いたよ・・城の事」


センリは涙を流し、まっすぐに見つめている。


「女性は物の様に扱われる。王に気に入られた者はまだいい。人間として扱われ身分もつく。
だが、一般の女性はただ、体内にある卵子を取り出す作業を繰り返す・・らしい」


「ひ・・ど」


恐ろしくて手が震える。


「それを永遠に・・だ」


「マジ・・かよ。確かに少しは聞いたことはあったけど・・」


「酷い・・っ」



その話にはギンもナギも震えだした。

初めて見るセンリの憤りがひしひしと伝わってくる。


「卵が作れなくなったらおしまい。病気になったらおしまい。人として、親にもなれず。
こんな事があっていいのか!?なんのために自分は生れたのかと城の女達は思っている!!」



テーブルに怒りをぶつける。

センリの手が真っ赤になって出血した。


「許せない・・他の国はそれなりに女性に対して敬っているのに」

「センリ・・・」


かける言葉がみつかる訳もない。


だって、10年前リッカさんと結ばれたのに、愛し合っていたのに。


それを断念して送り出したのに。