畑へと逃げ出した私。


ようやく来たと呆れた様子でナギは近づいてきたが、私の顔を見た瞬間にぎょっとした様だった。



「おま・・何その顔」


ええ、ぐちゃぐちゃですとも。

見事に。


「何があった」


「・・・」


言える訳ない。というか、声が出ない。


「ちっ。センリとあの女か」


とナギは家に向かおうとしたが


「駄目、違うの!違うから」


「は?違わねえだろ。あいつら昼間は誰もいないと思って」


「いいの、違うの!」



と私はナギの背後から腕を掴んで必死に止めた。


「お願い・・余計にごちゃごちゃしちゃう」


「・・いいのかよお前はそれで」


「いい、いいよ!もちろんいい!」


「・・・ばーか」


私から溢れてくる涙をナギは袖で拭った。