私がリビングに無事にたどり着く頃、センリの部屋のドアが開く音がした。


ヤバッ!!!


家にいるんだから普段通りにしていればいいのに、私はキッチンの死角に身をひそめてしまった。



何やってんだ私。



歩く音がする。


センリだろうか?



「10分だけシャワー浴びるから。適当に休んでて」


とセンリはリッカさんに告げる。


と、それを聞いてリッカさんも一緒に部屋から出てきたみたいだった。



「おい」


とセンリの低い声がする。嫌がっている声だ。


ドキン


私からは見えないが、リッカさんがセンリに何かをした様だった。



「やめろ」


「やだ」



ドキン



甘える声だ。

それから嬉しそう。


「私も一緒に入っちゃおうかしら」


「・・・断る」


「そんな事言わないでよ。冷たいわね」


「お前とそんな事をするために家に呼んだわけじゃない」



うんうん。

と私はセンリの言葉に頷く。


「じゃあ、キスでいい」



キ、キスでいいだとおおおおう!?



センリ、もう一度言ってやりなさい!お前とこんな事するために家に呼んだわけじゃないとおおおお(怒)


私の顔は茹でタコの様だろう。

頭に血が上ってきたのを感じる。



「おい・・」


「ん・・・お願い・・もうすぐ逢えなくなっちゃうんだから」


「・・・・」




センリは黙った。


やけに家が静かに感じるのは、私が耳を澄ましているからか?




「ん・・ふ・・・」


ちゅ・・ちゅ・・。



と唇の音がした。



そんな・・センリ・・・。


ショックすぎて口から砂を吐きそうです。