「センリはまだ部屋にこもってるのか?」


とナギが気にしている様だ。


「ええ、気になったモノにはずーっと集中しちゃう人ですから。センリの分は部屋に持っていきます」


「へえ。よく知ってるんだな。センリの事」


「え?ええ、まあ・・」


と少し恥ずかしそうにリッカさんは笑った。

黙々とナギはご飯を食べ続けてる。

私は場の空気に耐えられず逃げ道を作るのに必死だ。


「ナギ、ご飯終わったら新聞読もうよ」


「んあ?いいぜ」


「なんだよ、最近おまえらやけに仲良くねえ?」


ギンはすぐに不貞腐れる。


「は?別に、俺はギンと違ってヒオリに嫌われてないからな」


「あんだと!?」



二人は相も変わらず口喧嘩ばかりだ。

リッカがいてもお構いなし。

私の立場もお構いなしか。


「ごちそうさまー」


私は聞きたくなくてすぐに自分のお皿を台所に持って行った。


すると、リッカさんが近くでヒソヒソと聞いてきた。



「ヒオリさん、モテモテなんですね」


「はあ!?」


思わず声を荒らげてしまった。


「あんな素敵な二人に愛されて、幸せ者ですね」


いやいや、あなたが言いますか。


センリを独り占めしているあなたが。



とヤな奴全開で変な顔をしてしまった。


余裕のない私である。