「解放軍てのは、反王政ってやつだな」


「王様が嫌いって事?」


「そうだ。国の為って言って女を城に閉じ込めてるだろ。それに対してのデモ集団だな」


「そっか、確かに心良く思わない人もいるよね。独り占めしてる感じだし」


それは納得だ。


「女を集めている割にはちっとも女は増えないし。どうなってるんだって怒ってる」


「うんうん」


「そういや・・」


と言ってギンは話すのをやめた。


「ギン?」


「いや、言っていいのかわかんねぇけど。」


「いいよ、私だもん」


という答えに、ギンは真面目な顔になった。


「センリが・・というか考古学者たちの集団もどちらかというと反王政だった気がする」


「え?・・それってこのデモに参加してるの?」


「詳しい事は知らねえけど。もしかしたら」


「それって危険なんじゃ・・」


「ああ。大規模になったら王政側の部隊に取り押さえられるだろうな」


「そんな・・大丈夫なのかな」


「こればっかりはわからねえ。もし、解放軍がどんどん大きくなっていったら、俺はこれを取り締まる側になる」


「え!?ギンとセンリ・・敵になるの!?」


「・・・」


やけに真剣な顔をしてる。

そんなギンに私はゾクっと背筋が凍った。


「や、やめてもらお?一緒に暮らしてる仲じゃない」


「・・・俺は、あいつが一番頑固だと思ってる」


「やめさせられないって事?」


「ううむ・・」



ギンは一度唸って、新聞を眺め続けた。