「ギン、ナギ、何して・・」


と背後から聞こえてきた声に二人は同時に驚く。


「センリ!?」


男の後ろ、少し遠くからセンリはかけて来た。

隣奥の家からちょうど出てきたタイミングだったので私が転んだ瞬間は見ていなかったみたいだ。



え?センリ?



「この方は考古学でお世話になっている方だ。そこで一緒になって・・ってこれは!!」



センリは男の下に転がる私を見つけると慌てて抱き上げる。



「ヒオリ!?どうした?」

「ちょっと・・転んじゃって」

「まさか階段から!?」

「うん・・えへ」

「笑いごとじゃないだろう!!ギンナギ、運ぶぞ」



センリは男から私を受け取るとお辞儀をした。


「申し訳ありません」


「いや、いい。この子はセンリの?」


「・・・ええ」


とセンリは私の肩をキュッと強く抱きとめている。


「そうか。ならば何も言うまい。ではな」


男はそう言ってすぐに身を引いた。


そして空へ飛ぶために変貌する。


「ドラゴン・・・」


真っ白なドラゴンだった。


って、動物の域超えちゃってるじゃん。


がくん。

私はそのまま気を失った。


「ヒオリ!?ヒオリしっかりしろ!!」


心配そうなセンリの声は私には届かなかった。