しん。と静まり返った校舎。

二つあるうちの校舎の中で、あまり使われない場所に古文資料室はある。


「センリ、次は授業があるっぽいな」


とナギは隠れながらドアの窓から覗き込む。

中には授業の用意をしているセンリの姿があった。

私も気になってちらりと窓の淵に目を合わせた。


センリだ・・昨日いなかっただけなのに懐かしく感じる。

ちょっと疲れ気味な顔をしている様に見えた。

私は胸が急に苦しくなったので手で必死に抑え込んだ。




「後3分で本鈴が鳴る。どうする?会う?」


「え・・いや、流石に出来ない。仕事の邪魔出来ないよ」


「ふーん。じゃ帰る?」


「うん」


とセンリを眺めながら頷いた時だった。