「あの日、すっげーいい天気でな。俺は昼休憩から戻って空を旋回してたんだけど、その時に下に見えた森で何かが光ったんだ。」


「?」


「で、近づいたら、お前が木の下で寝てたんだよ。すやすや。」


マジですか。無防備にですか。


「木漏れ日がお前を照らしてて、それはもうお伽話みたいな感じで」


「それ誇張してない?」


「は?してねーよ」


ギンはその日を思い出すかのように遠い目をする。


「めちゃくちゃ綺麗だったぜ」



何この人、ロマンチストなの!?うっとりしてる!!(笑)


思わず吹いた。


「う、嘘だそんなの」


「嘘じゃねえよ。女だってすぐにわかったから危険だと思って保護したんだ」


「それはありがたいけど・・・」


「ま、一目惚れってやつだな」


それが一番うさんくさい。


なんでかな。センリに言われたらきっと鵜呑みにしてしまいそうな言葉なのに。


「お前、思ってるより女っぽいよ。声も高いし。目もくりくりしてるし」


「は、はあ・・ありがと。」


なんだか真っすぐにそう言われると恥ずかしくなってくるわ。


「このご時世だ。女のお前からしたら俺ががっついている様に見えるかもしれないけど。俺は運命だと思ったぜ」


「うん・・めい・・」


ぶはっ


なんだこのくすぐったい気持ち。

湧き上がってくる。


「プ・・・ハハハハっ・・ギンてロマンチストなんだねえ!ハハハハ」


「え!?なんで笑われてんだ?俺」


「わかってないし。フハハハッ」



真面目な顔してる。

その顔がめちゃめちゃ面白かった。