「彼氏とか好きな男とかいた?」


「ちょっと。それ聞く?」


「ああ?聞く」


本当にデリカシーのない奴だ。

ま、別にいいか。なんか現実味がないしこの世界。

ぶっちゃけたってなんだって。元カレに未練なんてない。


「振られたばっかりだったの」


「え?」


ギンは信じられないような顔をして私をマジマジと覗き込む。


「1年ちょっと付き合ってたけど、振られた。好きな人が出来たって」


「そ・・そうか。すまん聞いて」


「別に。逆に謝られると辛いんですけど。そういう時は笑い飛ばしてよね」


「こんなに可愛いのになぁ」


と、ギンは私の頭をナデナデした。


「はいはい。信じません」


「こら、可愛くない事言うな。女子なんだから」


「どうせ私は胸もないし、ナギの服似合っちゃうし。男みたいだもんね」


ふて腐った。

だって、振られ間際に「やっぱ友達にしか見えない」って言われたんだもん。

確かに友達から付き合ったけど。

手出しといてよく言うわ。遊ばれただけだったんだ。


ちょっとだけじんわり目が潤った。


「わ・・嘘・・」


涙が出そう。

元カレの事なんでどうでもいいと思ってたし、吹っ切れたハズなのに。


「よしよし」