「もうお前が来て数日たったわけだけど、住み心地はどうだ?」


「ん、まあ・・この家はいいと思う。食べ物も美味しいし」


「それは良かったぜ。ま、今日の魚はやばかったけど。よっと」



ギンはベッドを背もたれにして座った。


プシッ。という音がしたのでビールか何かを開けたのだろう。

飲む気満々で来たってことだ。



「ビールとか・・そういうのは変わらないんだね。500年経っても」


「ビール・・ああ。これね。そうなのか?飲む?」


と促されたので一口飲んでみた。


ゴクン。



「うぎゃっ!苦い!まっずっ」


「え?マジで?この苦さがいいじゃん」


私の知っているビールの何倍も苦かった。


「こんなのが普通なの!?」


「苦さは選べるよ。これが最高濃度なだけ」


「そ、そうなんだ」


苦味がずっと口の中に残っている。


「私には無理だわ」


「この味がわからないなんて残念だな」


「別に必要ないもん」


もともとビール好きじゃないし、カシオレ派だし。