私がナギにそんなことをされているなんてつゆ知らず。


センリは同僚のハクにどうしてもと説得され、センリの恋人だったリッカが帰ってくる場所へ来ていた。


街の一番奥に流れる大きな川を渡ってきた船に乗り、リッカは他の女性達と共に解放される。


街の人々は年に数回しかないのその日を心待ちにしているのだ。


「リッカ、元気かな?」


「10年も経ったんだ。顔変わってるかもな」


「昔から可愛くて美人だったもんな」


センリとリッカが付き合っていた当時よく3人で遊んでいた。

だから今回もワクワクしながらセンリを誘ったのだ。


「よう、センリ。来たんだな」


警備中のギンだ。

警官の様な服を身にまとい、警棒を腰に差している。



「ハクがどうしてもって言うからな」

「ふーん」


ギンとセンリは今だ喧嘩中。

そしてそんな事は知る由もないハク。


「そんなこと言うなよ。リッカもお前に逢いたがってるよきっと」


「それは、どうだろう・・・」


10年も経っているのだ。

解る筈もない。