ナギは照れ屋で、反抗期で、でもきっと素直な子。


上手く表現できないだけの可愛い少年なんだ。


って思ったのは束の間だ。


「俺、出かけてくる」


「何処に?」


「街」


「街って・・あ、まさか!!」


昨日の今日だ。

思春期はお盛んだ。きっとピンク色の店に向かうんだ。



「駄目だよ!15なのに」


「ヒオリには関係ないだろ」


「駄目だよ。人間そうやって歪んでいくんだから!ちゃんと学校行ったりして勉強しないと」


「・・・なんだ母親気取りか?」


「え?違うよ」


ズカズカズカと畑の土を蹴ってくる。

凄い形相で。


そして



ダンっ!!!


「ひっ」


背後にあった木にドンされた。


「年齢とか、関係なくね?今代わりにここで犯してもいいんだけど?」


「ナ、ナギ・・」


「な?昨日の夜みたいに、俺にもさせてくれんの?」


近い・・怖い・・近い・・怖い!!近くて怖い!!

ナギの顔がどんどん迫ってくる。



「やめてっ・・こわ・・」


ブルブルと震える私の顔を、ナギの手がすくい上げる。


「この時代に来たのが運の尽きだな」


「ナギ・・っ・・」


「・・・・・・」



そう言ってナギは私の唇を奪った。


う・・そ・・

年下の反抗期で思春期の癖に!?脅したうえにキス!?



「ちょ・・」


「ふ・・すげー顔。」



ナギは目の前で解けたように笑った。

私の恐怖はその顔ですんなり消えた。

あまりにもむじゃきだったから。


「お前の唇、一番先に貰ったからな」


「え・・」


ま、まさか・・ギンへの対抗意識!?嘘でしょ!?

ぐぬぬ。

許せーーーん!!


でも力が入らずその場から動けなかった。


「ほら、収穫したなら家もどるぞ」


「ぐうう・・」


ぐうの音も出ないが、悔しくてぐううと唸ってみた。