巨木の裏にある敷地に畑はあった。


トマトやキュウリなどがなっている。

今は季節的に夏くらいだろうか。


「おいしそーー!」


「でかい声出すな。わかってんな」


「あ、そうだった」


解放感があってつい。

女とバレたら即終了。

なんの罰ゲームだろう。神様。


「お前はここから収穫。4人分だぞ」


「はーい・・て4人分てどれくらい?朝と昼と夜?」


「自分で考えろ」


「むう」


私とナギ以外はいない。

そんなに大きくない畑だ。

でも一人では大変そう。ナギはこれを独りでやってるんだ?


「凄いねナギ、こんな事才能ないと出来ないよ」


「は?誰でも出来るだろ」


「そんな事ないよー。農家ってさ、凄く知識いるし力仕事だし。何より人の食べ物作るって素敵だよね」


「・・・」


ナギは黙りこくった。


私の褒め褒め作戦にまんまと引っかかってくれているのか。



「俺は・・役立たずだから」


ぼそっとナギが言った。


私には聞き取れなかった。


「なんでもねえよ」


「うわっ」



ミミズを投げられた。