次の日になった。


センリとギンは仕事で早くに出かけたらしい。

キッチンのテーブルに私用の朝ご飯が置いてあった。

リビングのソファーにナギが座っていた。



「おい、汚物。こんな時間に起きて何様だ」


「ナギ・・おはよう」


「もう12時だ」


「寝すぎた・・昨日眠れなかったし」


「ま、あんな事があればな」


ぎょぎょっ


見られてたの!?思春期のコに!?


「あ、あれは事故!事件!」


「良く言うぜ。まんざらでもない感じだったくせに」


「なっ・・ななな!?」



そんな風に見えてるの!?

ひええ・・。



恥ずかしくて顔があがらない。


するとナギは私の目の前に新聞らしきものを投げた。


「俺は言ったぞ。センリは一番何考えてるかわからない奴だって。忠告だ」


「え?」


街に出かける前に言ってきた事だ。


「お前、センリの事好きになるなよ?」


「え?」


どきっ


「好きになるな。これは命令だ汚物」


「そんなの私の勝手じゃん・・ていうか、その汚物は止めて。暴言だよ」


「じゃあなんて呼んで欲しい?」


素直に聞いてきたので逆に固まってしまった。


「えっと・・ヒオリ・・さんでも、ちゃんでも・・」


「呼び捨てがしっくりくるな」


「じゃあヒオリでいいから、汚物って言ったら今度から無視する」


「あ?」


ナギはいつものように威嚇してきた。

鳥の癖に虎みたいな目してるんだよね。怖すぎ。

だが私は勇気を振り絞って抵抗した。

確かめたい事があったから。



「もう、脅しはきかない!」


「これは脅しじゃねえ本気だ」


「だって私はナギと仲良くしたいよ!」


「・・・っ」


その言葉に躊躇ってくれた様だ。


「駄目?」


「・・・知るか!駄目だそんなの!」



ナギはすぐに逃げるように出て行った。


「やっぱあれって、照れて・・る?」



私は首を傾げナギを見送った。

確かめたい事がクリーンヒットした。