「ま、おめでと!」



「ありがと。」



でも、そっか。
これから楠木くんは、私の彼氏なんだ。

期間限定だけど。



「あ、じゃあ私はこの辺で…」



舞は、少し遠くを見るなりそう言って走っていった。



「え、舞…!?ちょ、待ってよ。」



舞を追いかけて走ろうとした時、
右手首を掴まれる感触がした。



「花園っち、待ってよ。」



その瞬間、私は察した。



私を『花園っち』なんて呼ぶ人 あんた以外にいないもんね。