楠木くんが病室のドアを開ける。
お願い、早く…行って……
「あ、花園っち。」
ふと、楠木くんの口から私の名前が聞こえた。
「明日、また遊ぼうよ!あとで連絡するから!」
そのまま、手を振りながらドアが閉まる。
…あぁもう、本当バカ。
楠木くんは、もう少し人の気持ちについて勉強した方がいいよ。
なんの為に急かしたと思ってんの?
目の前が、涙で溢れていく。
「涙、見られたくなくて帰ってもらったのに…」
多分、結局見られたよね。
「本当、バカ……」
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