数分経った頃だろうか。

瞼を眩しい物が覆った。

ゆっくりと目を開けると、そこは新幹線の中だった。


「目が覚めたの?」

声のする方を見ると、見た事ある顔。

「ジャラールさんは?……」

「はっ?」

反対側を見ると、窓があり建物や景色が高速で移動する。


頭がボーッとする。

新幹線の中だとわかっていても、状況がつかめない。

「寝ぼけてんの?クレハ。」

「う……ん……」

何でこんなに頭が重いんだろう。

まるで一晩中寝てない時みたい。


「もう一回寝たら?京都までは、まだ時間あるし。」

「うん。」

椅子に体を預け、光清が言う通り、目を閉じる。

けれどいつまで経っても、眠れない。

明るい陽射しのせいだと思い、右の手のひらで瞼を押さえても、まだ目が冴えている。


「今度は眠れないの?」

「うん……」

面倒くさい。

普通ならそう思う。