自分はまだ髪も半乾きのままで、由弦はあたしの手を引き、布団の上に胡坐をかいた。目の前に何故か正座しちゃってるあたし。

「・・・怖いか?」

 伸びて来た手があたしの頬をやんわりなぞる。
 
 心臓は。やっぱりちょっとバクバク言って、たぶん緊張してる。でも。怖いワケじゃない。首を横に振る。

「・・・・・・へいき」

「俺はお前が好きだから抱きたい。・・・ぜんぶ俺のものにしたい。瑠衣の中に入りたい。・・・いいか?」

 聞き慣れてるハズの由弦の声が、なんか違う男の声みたいに。静かなのに真剣で胸がきゅっとする。
 まともに顔なんて見られなくて、視線を俯かせながら「うん」て小さく。それが精一杯。

「瑠衣」

 呼ばれて無意識に上げた目と目が絡み合う。

「・・・愛してる」



 耳に届いた時には抱き寄せられて、キスが深く繋がってて。
 ゆっくり躰が布団の上に倒されてからは、もう。全てを由弦に預けるしかなかった。
 指で触れられてるより、舌で撫でられるほうが勝手に躰が反応して、柔らかい愛撫に理性がどんどん呑まれてく。

 声を殺そうとするたびに由弦が低く囁く。

「声出せ・・・。俺にぜんぶ聴かせろ、瑠衣・・・」

 時間を掛けて、あたしの躰が慣らされてく。