一息ついて、下を向いた滝田先輩はフッと顔を上げ織人を見た。
「織人、お前は柊のことどう思ってる」
「は?」
真剣な表情で突拍子もない質問をされ、困惑する織人。
「嫌いか?」
「嫌いではねえけど」
「好きか?」
「お前なんでそんなこと」
「答えろよ」
いつもの優しい滝田先輩は、少しも見えない。
余裕が無い感じ。
「嫌いではねえけど、恋愛的な意味で好きとかはねえよ」
「前までは嫌ってたのに、急にどうした」
間髪入れずに質問を続ける滝田先輩に、困ったようにため息をつく織人。
「従兄の豪さんと話してて、思ったんだ。俺、元々女に偏見あるだろ?だから、コイツのことなんにも知らないクセに見た目だけで判断してたなって。だから、嫌いではなくなった。それだけだ」
「そうか」
全部話を聞き、何故か悲しそうな顔をする滝田先輩。
「そうか〜〜〜」
「なんだって言うんだよ。もう全部分かったろ、誤解だ誤解」
疲れた織人は、伸びをして欠伸をした。
「柊、なんで織人にはタメ語なの。俺には敬語なの」
「ん〜〜、織人は先輩って感じしないからですかね」
「てめ、ふざけんなよ」