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「昨日、何がしてた」
放課後、近くのカフェに織人と滝田先輩とあたしで話をすることになった。丸テーブルを囲むように3人が座る。
尚も滝田先輩は暗い顔をしている。
「一昨日コイツが「傘忘れちゃって」」
織人が正直に話そうとしたのを、ナチュラルに渡った。
重い話をしたくないっていう理由もあるけど、第一にあたしが話したくない。
織人は少し驚いたようにあたしを見るけど、織人のことは無視して淡々と続ける。
「帰りの途中で降ってきちゃって、どうしようって思ってた時、丁度後ろから織人が来てて、上着で雨しのいでくれたんです。そしたら、従兄も帰ってきちゃって。もうそうなったらおしまいです。従兄が風呂入れだの飯食ってけだの織人に頼んじゃって、あたしがお風呂に入ってる間にいらない話ばっかりしてたみたいで」
ごめんね、と織人を見て謝ると、困惑しながらも、いや、と返してくれた。
「昨日の昼に、従兄に借りた服を返しに来てくれたんです。滝田先輩に隠れてきたのは、嫌な思いをさせるんじゃないかって気を遣ってのことだと思います。なんせ、織人、滝田先輩のこと大好き「おい」」
照れくさいのかそれだけは言っちゃいけないよう。
「ふう、とりあえず状況は読み込めた。」