「多分、この話、とてつもなく長くなるんですよ。放課後、話せますか?」
眉間に皺を寄せて俯く滝田先輩。
「結末だけ言うと、信じてもらえるか分からないんですけど、織人とあたしはなんにもしてません。ただただ、織人はうちの従兄に気に入られただけです。以上!」
周りはざわざわしてるけど関係ない。
今は滝田先輩に伝わることが第一だ。
「織人は、あたしより滝田先輩の事の方が大好きなので」
「おいてめえ、語弊があるだろ」
「え?間違いではないでしょ」
「お前と快斗を比べること自体おかしいだろ。第一、昨日言った通りお前は嫌いだ」
「え〜?さっき聞いてましたよ〜?嫌ってた、でもな。って〜」
ふざけて、織人をデフォルメして真似てみる。
「〜〜〜ッ、お前本当に腹立つな!?」
「ふふふ、それ、図星だって言ってるようなものだよ?」
「おい、快斗!なんとか言ってくれ」
「……分かった。分かったよ。噂、信じて悪かった。」
そう言ってくれた滝田先輩だけど、やっぱり悲しそうな顔をしてる。
「柊、放課後な」
「……はい」
何故か心が痛い。
多分、滝田先輩の心が伝わってきてるんだと思う。