いつも通り、登校する。
いつもならたくさん話しかけられるのに、今日は静か。
ま、平和でいいけど。
下駄箱を開けた、ら、
バサバサッ
床にゴミやら何かが殴り書きされた紙。
上履きは、暗い色のサンダルだから何も書いてないけど。
こんなの、初めてだ。
噂は沢山流れたし、呼び出しもされた事あったけど、こんな陰湿なのは初めてだ。
1枚拾って読んでみた。
『最低』
もう1枚、
『ビッチが』
書かれてることは、言われてることと何ら変わりない。
じゃあ、何故?
「ねえ!時雨大変!!!」
息を上げた柚姫が、そう叫んだ。
「え」
「あのね!」
あたしは柚姫の説明を聞いて走り出した。
『昨日、時雨、五十嵐先輩と出てったでしょ?あの後、二人を見てた人がいて、紙袋を渡してたって。その中身が服だったし、時雨がタメ口で五十嵐先輩と楽しそうに話してたって。見てた人が時雨と五十嵐先輩が出来てるって。滝田先輩の事、二人が裏切ったって噂になってて、今五十嵐先輩のところに滝田先輩が行ってるの!』
別に、あたしはいい。
滝田先輩と付き合ってるわけじゃないから。
でも、織人と滝田先輩はダメだ。
あの二人に喧嘩させちゃダメだ!!!!
あたしが壊しちゃダメなものだ。