「嬉しいです。そんなに心配してもらえて。ありがとうございます」
笑顔でそういうと、
「笑い事じゃねえよ、俺はもう必死で」
必死に説明する五十嵐が可愛くて、つい
「ふふふっ、分かったってば!織人が必死に助けてくれたから、あたしが今日ここにいるんだよね?」
「本当に分かってんのか?つか、サラッとタメ口にしてんじゃねえよ」
もっと怒った。
「いーじゃんもう。織人はタメ口の方が気が楽。」
「はあ?やっぱお前嫌い」
開き直るともっと怒って、スタスタと歩き出す。
あたしは隣を歩いて、続ける。
「ふふふ、嫌いでも助けてくれる織人はあたし好きだよ」
豪が気に入った理由がわかる気がする。
「うるせえ、調子乗るな」
適当に見えて、真面目なんだね。この人。
あたしも、嫌われてることに慣れすぎてたな。