『じゃあ、この内容で進めましょう。リマインドメールにフォーマット添付して送っておきますねッ』
キミはとびきりの笑顔で僕にそう言ってミーティングを終えようとした。

『・・・・』
僕は言葉を返すことができなかった。

なんでだろう・・・




僕は今ここでこのミーティングを終わらせるのが、
なぜだかたまらなく嫌で、
ふと窓の方に視線を移した。

午後15:00、快晴。
24階のこのフロアから見える周りの景色は
鮮やかで爽やかな周りのビルと遠くまで見える街並み。

なんでもよかったんだけど、
何かキミを繋ぎ止める言葉を探した。

『早瀬さんて・・・どういう人がタイプなんですか?』

ふと僕の口から出たのはこの質問だった。

言ってすぐ、
自分がおかしいと気づいた。

案件に全く関係ない質問をしている自分に。

だって僕は
他人に興味を持ったことってあんまりないから。


まして初対面の相手に興味をもつなんて
僕にとっては革命的だった。



背中が熱くなった。



僕は内心すごく戸惑ってたんだ。

僕じゃない僕がここにいる。

僕が壊れかけてる・・・ような気がして。