でも・・・
僕があたまを撫でていたら、
そのあと急にキミは泣き出したよな・・・
あれはなんで・・・??

『早瀬さん・・・泣いてましたよ。眠ってるとき』


僕の中のいろんな感情を悟られないように
落ち着いた口調できいてみた。

『え?』

あたままで布団のなかにかくれて照れてたキミは、
ひょこっと、また目だけ布団から出してこっちを見た。

僕は何気なく自然な感じを装って、
またキミから視線を外した。

『私、泣いてました・・・?
ホントに泣いてたんだ・・・
夢でも泣いたんです私。』


やっぱりシンクロしてたよ・・・夢と。



キミは夢の続きを話出した。

『そう、そのあと、
藤川くんが助けてくれて安心したら
なんか・・・涙が出てきちゃって、とまらなくって
スゴい泣いちゃいました。
ホントに泣いてたんですね・・・私

藤川くんはそんな私をみてなんか困ってたみたいだったけど・・・』

そこまで夢と一緒かよ!

もうホントにすごく恥ずかしいから
それ以上言わなくていいから。。。


『でも、藤川くんそれでもずっと
私の手を握っててくれたんです。

藤川くんの手が暖かくって、
私それだけですごく安心できて・・・

目が覚めたら、ホントに藤川くんがいて、
ホントに私の手を握ってくれてて・・・

夢とおんなじで・・・

夢なのか現実なのかよくわからなくて・・・

でも夢の中でも、外側でも、
私 藤川くんに助けてもらってばっかりですね。

ありがとう・・・ございます。』

ちょっと・・・ヤバい・・・

僕は思わず口元に手を当てて、
ゆっくりキミのほうをみた。

キミは僕をまっすぐ見つめている。

キミと目が合って、

キミはもう一度、そのまっすぐな瞳で僕を見ながら、


『ありがとう』

って、あのかわいい笑顔で言うんだ。


一瞬、ドクッっと心臓の音が。

僕は首をゆっくり2回横にふって、
下を向きながら、

『や、べつに・・・たいしたことなんもしてないです』

キミの言葉に、言い表せないいろんな感情が
ぐるぐるまわって、僕は気の利いた言葉を返せなかった。


キミは、
ポタリ・・・ポタリ・・・
とゆっくり落ちる点滴の雫を見ながら、口を開いた。


『藤川くん・・・
ずっと付き添っててくれたんですか・・・?』