人はあたまを触られると
安心できて落ち着く効果がある
・・・って

大学のとき先攻していた心理学の授業できいたことがあった。

僕はツラそうなキミの苦しみをなんとか解放してあげたくて、
キミのあたまをそっと撫でていた。


そのうち、
僕の手を強く握り返していたキミの手の力もだんだん弱くなり、
苦しそうな表情も徐々に和らいできて、
呼吸も落ち着いてきた。


よかった・・・


僕は安堵を感じながら、キミを見つめていた。

でも次は、
眠っているキミの目から涙が一筋こぼれて伝った。


え?


今日、何度目の「え?」だろう。


キミの目からは次々と涙が溢れて伝う。


あわてて、僕はポケットから出した自分のハンカチで
濡れたキミの頬を拭った。