救急車が呼ばれて、
キミは眠ったまま運ばれた。

僕は付き添い人として同乗した。


救急隊にキミのことをいろいろ聞かれたけど・・・
僕はキミのことを名前以外ほとんど知らなくて、

キミの年齢や血液型、住所や連絡先、何を聞かれても答えることができなかった。


病院で一通り検査らしきことをされて、
今は点滴をした状態でベッドでキミは眠っている。


医師からの説明では、
高熱と脱水症状とのことだった。

点滴でつながれて眠るキミの隣で
僕は椅子に座りながらキミを見つめていた。

おそるおそる、
おでこに手を当ててみたら
まだ熱かったけど、
倒れるキミを抱き止めたときより少し熱が下がったような気がした。

点滴が効いてきたのかな。



体調・・・悪かったんですね・・・

熱のせいか、少しだけほっぺがピンク色になっている気がして、それすらもかわいいなんて思ったりもした。


僕がここにいてもキミのためにできることなんて何一つないことはわかってたんだけど、

キミをひとりおいて帰ることが僕にはできなかった。


キミが目覚めたとき、僕がいたってキミは少しも嬉しくなんてないと思うんだけど・・・

誰もいないよりは少しはマシかな・・・?

って思ったんだ。

午後のアポイントは迷わず全部飛ばした。

各方面へ連絡は病院についてすぐにしておいた。

キミのためなら・・・予定なんて組み直せばいい。
いや、キミのためじゃなくって、
単純に僕がそうしたかったんだ。


キミの会社にも一報は入れておいた。