「星野さん、ばいばーい」
「うん、ばいばい」
クラスメイトに手を振って、教室を出る。高校生活2年目、見慣れた通学路を朝とは反対の方向に歩いていく。どうしても急いてしまうのは、きっと今日が快晴だからだろう。私が住んでいるこの町はお世辞にも都会とは言えない。それでもここが大好きなのは、晴れの日には綺麗な星空が見られるから。
学校に友達がいない訳じゃない。なんなら、上手くやっている方だと思うし、心から楽しいことも少なくない。