頬にした軽いキス。

ニヤリ、と笑う星に、首を傾げた?

あれ?意地悪顔。

嫌な予感しかない。

メリーゴーランドはいつの間にか止まり、降りようとしたけど高くて降りれない。


「星っ、下ろして」


トンっ 

軽く蹴る様に降りた星は、私を残して歩いてく。



「星、下ろしてよ!!」


私、なんかした?


不安になる私を見た星は、木馬の上にいる私を見上げた。


涙目になる私の腰に腕を回し、引き寄せた。



「きゃっ」


衝動で、傾く体は星の腕の中にいた。



「足りない、そんなキス」


えっ………? 



不意に重なる視線と、重なる唇は…………

優しく暖かい。




「意地悪してごめん、可愛くてつい……」



そして涙を拭ってくれた。


「咲………………愛してる」










君の声が、すんなり胸の奥底まで響く。