「はいはい、行こう行こうっ」

いやだ、行きたくない。

足は嫌だ、といってるのに………

無理矢理連れて来られてきた、オバケ屋敷の前には、男の子が数人。


なんだろう。

なんだか、ニヤニヤ笑ってる気がする。

ああ、泣きそう。

ものスゴく入りたくない。

スッ、と優しい手に包まれ胸が暖かくなる。
"大丈夫、大丈夫ーー"。

そう言われてる気がして、強くなれる気がした。

「入る前から泣くなよ。
俺が泣かしてるみたいじゃん」


「ごめんっ、だって怖いっ」


小さな時から、オバケだけは怖い。

涙を拭う星に、またきゅん、となる。