「いや、本当危なっかしいな。

えみに似てるな」


"えみに似てるな"


愛しそうに見る冬さんには、大切な人がいる。


「すごく大切な人なんですね」


「えみは、泣き虫で怖がりで小さな時からずっといた俺の妹。

血は繋がってないんだけどさあ。
いつからか、妹を妹に見えなくなった。

一度は離れようとした。

だけど……あいつ以上に本気で守りたい奴はあいつだけ。

居ないんだよ」


きっと、色々葛藤して今があるんだ。


もし、私がお兄ちゃんの妹じゃ無かったら?


離れてくお兄ちゃんを思い浮かべ、打ち消した。