「チッ、邪魔しやがって。

咲、帰るか」


舌打ちをした星は、咲ちゃんに微笑んだ。


手を差し出す星に、咲ちゃんはふんわり、と笑った。



良かったーーーー。


ただ、それだけーー。


朝日に照らされたバイク。



「またな」


「冬、ありがとな」



「冬さん、ありがとうございます」


なんで、二人して………

兄妹じゃない筈なのに、すごく似てる。


「幸せにな」




誰に、じゃないそんな言葉。


バイクに咲を乗せ、向かった我が家。


もう、これからは寂しくない。

 俺達は、寂しい子供じゃないーー。


咲が、ぎゅっ、と俺の腰に手を回す。


ほのかな膨らみに、すこしばかりいけないことが浮かぶ。


「なあ、咲。

俺、眠りたい。

一緒に寝ない?」


「うん、久しぶりだね。

くっついて寝たいな」 

あんまり、くっついてるとあらぬことを考えるけど…………まあ、いいか。