真夏の道は、暑すぎて倒れそうだ。

「バイクじゃないのかよ」


嘆く千を人睨みするお兄ちゃん。

「咲を乗せて行けるか」


ヒラヒラのミニスカートでバイクとか、無理だから。


「だからってこの暑いにバスは、むさ苦しい」


さらに千は嘆く。


バスに乗ると、人が多く嫌になるが仕方ない。

小さな咲が、人に押し潰されそうに嘆く。


「ん~、お兄ちゃん苦しい。きゃ」

突然バスが揺れて、傾く体は窓にぶつかる瞬間。

誰かに抱き止められる。



この暑いバスの中なのに
心地よい冷たさ。


ひんやりとした腕。


「冬さんっ、ごめんなさいっ」


やだ、恥ずかしい。