「冬はお前から守ってくれたんだ。


ちなみに、冬には彼女いるし。


信用ならないのは、お前だ」


ビシッ、と言うとしゅん、とする千さん。

捨てられた子犬の様な瞳で、私を見た後。


「ごめんなさいっ」


私に謝る千さん。


「いえ、お兄ちゃんあんまりいじめちゃダメ。

早く出掛けようよ‼」


私は気を取り戻し、お兄ちゃんを引きずって家を出た。