君が、まだ俺をお兄ちゃんだと言う。


「血の繋がりがそんなに気になるの?


私は、気にしないよ。
ずっと両親のいない私に、お兄ちゃんは母であり、父であり、兄だった。


血が繋がって居なくても、お兄ちゃんはたった一人の"家族"だよ!!」


うん、気にしてた。

血の繋がりがない兄貴と、咲は知ったら離れてしまう。

咲が離れていくなら、いっそ嫌われてしまった方がいい。


だからーーー



「私は、怖くない。


だってーーーー」


爽から離れて俺の前に来た咲は、俺を純粋な目で見つめた。

「だってーーお兄ちゃんだもん。


家族だもん。私は、お兄ちゃんとは離れないよ‼」


「ありがとう、咲。

ごめんーーー」


俺は、咲を優しく抱き締めた。



「いいのか?あれ」


「仕方ないじゃないですか?
兄妹なんだから」


千さんが、見る先に居たのは咲と総長。

丸く治まってくれて良かった。


兄妹が仲悪いのは、嫌だから。