「強きな女は好きだよ。

余計、鳴かせて見たくなるよな」


グイ、と顎を持ち上げられ、抵抗出来ぬまま合わさる唇と唇。



やだ………。


不意に、離れた唇はまた合わさる。

「やっ、やだ、離して‼

爽くんっ、お兄ちゃん…………っ」



自然と私の口から漏れた。


「お兄ちゃん、助けて……」





声にならない私の小さな声に、気づく人はいない。


刻が、私の服に手をかけた。



私は、真夏に見たたくさんの星をまばたきすることなく、眺めた。


不意に、被さる影に………


星達が、姿を消したのを見た。



*咲side終わり*