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どうして………爽なんだろう。


なんで、俺じゃなくて爽なんだろう。


「兄貴だからか…………

本当は、兄貴なんかじゃない。

咲を想う一人の男なのにな」


誰に呟いた訳じゃない呟きは、闇に消えて行く。


暗闇の中、スマホの光で覚醒する俺の意識。

画面には冬の名前。

それを見てクスリ、と笑った。