少し冷たい千さんの瞳が、俺を射ぬく。


「爽がヤキモチ妬かなきゃ、咲ちゃんは出て行かなかった。

違う？」


穏やかな言い方だけど、明らかに怒りが現れた口調に、何も言い返せない。


俺が、ヤキモチ妬いて泣かせた。

俺が悪い………。


「まあ、いいよ。
あの二人よか、気軽なら俺で。

けどさあ、人って見た目じゃわかんないよな？
今お前が見てる千は、本当の俺じゃないかもよ？」


本当の千さんじゃないーーーー？


どう言うーーー「早く、助けに行こうぜ‼」

間を与えず、千さんは俺を急かした。


早く、早く君を救いたいーーー


待ってて咲。