「はぁ。緑茶でよければどーぞ。」

「あっありがとうっ!ごめんねっお邪魔しちゃって。」

「いや。いーよ。別に。」

望上はお茶を片手にスマホをいじりはじめてしまった。

少し戸惑いながらも部屋をぐるっと見渡してみた。

「あっえっ…」

つい声を出してしまった。

布団の隙間から雑誌が顔を出していたのだった。

「ん?どーした?」

「えっ!あっいや…なんにもないよっ!」

焦って顔が熱くなる。

でもちょっと気になってその雑誌に目をやる。

ペシッ

「いひゃっ…。」

望上に叩かれた。

「なーにそんな固まってんの?」

「えっ…。!!」

横向いた時に思ったより近くてびっくりした。

ガンッ!

「いっ!」

ビシャ!

「きゃぁっ!」

机に肘をぶつけたついでに置いてあったコップが倒れてお茶がこぼれた。

「うわっ!ばーか!」

望上がせっせとティッシュで拭いた。

「ごめんね?」

じんじんする肘をおさえたがら、涙目でそぉっとあやまった。

「別に。いーけど。どじなんだな!」

「なによぉ…」

ちょっとふくれてみせた。