ピリピリピリ

琴玻の携帯がなった。

「え?あっうん。わかった!」

ぶちっ

「ごめん!私帰るわ!じゃあね!」

「えっ!?ちょっと琴玻ちゃん!?」

琴玻は、理由を言うでもなく雨のなか走って帰ってしまった。

「で?お前どーすんの?」

望上の隣にたつ高身長男子がきいてきた。

「どうするもなにも…帰るっきゃない…。」

「どーやって?」

「走って…?」

つい疑問系で返してしまった。

「なーおれ早く帰りてーんだけど。」

「俺ら傘持ってねーからずっと濡れてんの。」

「帰っていい?てか帰るわ。じゃ。」

誰かがなにかを返すでもなくそそくさと傘なしの3人が帰ってしまった。