「……生まれついた天命はある。僕にも、咲桜ちゃんにも。けど、自分の生きる道は、自分の運命は、自分で決めていいんだ」
 

力強く。
 

吹雪さんは私に、微笑んだ。


「ふゆきさん~……」


「ここで抱きしめたら流夜に怒られちゃうから、流夜のところまで、一人で涙を止める。……出来るね?」
 

こくこくと、何度も肯いた。


「それから……笑満ちゃんは知ってたんだよね?」


「あ、はい。笑満と夜々さんは全部話してます」


「それで、こんなこと言われなかった? 咲桜ちゃんの分まで自分が産むから、みたいなこと」


「吹雪さん名探偵ですか⁉ 言われてますっ」