……そんな風に考え始められていた、葉桜の頃。


いきなり巡り合ってしまった。
 

家族になりたいと思った人と。


この人の家族を、私が――と、望んでしまった人と。
 

病院を受診するのは、二人の誕生日が訪れた頃には考え始めていた。


ただ、どういう病院に行けばいいのか、インターネットで探してもわからなくて、また高校生の私には高すぎる敷居だった。


宮寺先生の口から告げられた日。


流夜くんが迎えに来た日。


それは覚悟に変わった。
 

夜々さんは保健医だ。病院にも通じている。


知り合いだからこそ頼むのは苦いものがあったけど、あの日隣にいて在義父さんに臨んでくれたのは、このおねえさんなのだ。


母親のように慕う。
 

夜々さんに女性の医師――そしてこういった方面の設備が整った病院を教えてもらって、ついていくと手を握ってきた夜々さん、いつかの公園で待っているから必ず来てね、と言った笑満の二人の力を借りて病院の門をくぐった。