吹雪がくすくす笑いを噛み殺しながら問いかける。


藤城の教師は魂でも抜かれたような顔をしている。


「流夜には教師は無理なんです。未だにこちらとの関わりを断つことが出来ない。そして状況は、確実にそれを許さなくなった。今年度いっぱいは待ちます。もうこれ以上は無理だよ」


「……依頼者ってのは、愛子か」


「勿論。――と言いたいところだけど、それにプラスアルファのお偉方が何人もいるよ。残念だったね。もう詰んでしまったよ」
 

吹雪は軽く肩をすくめて見せた。