プルルルルル…


お父さん、出ないし…



「あの…本当にこれはどういう事でしょうか………」



「だーかーら、お前の親父さんの頼みだって」



お父さんがなんでミヤビ先輩に?!



「俺の父親と仕事仲間である、お前の父親との食事会で俺えらく気に入られちゃって、娘と暮らしてくれないかー!なんて頼まれちゃったら断れないっしょ」


お父さんったらー!


「そ、そんなの断っていいんですよ!!迷惑ですよね…すみませんでした。あたしは大丈夫なので」




「生活費は全部負担してくれるらしいし、新鮮でいいかなーって」




それで引き受けないでよ…(TT)




ミヤビ先輩は荷物を降ろしソファに腰掛ける。



「え、なに?帰らせようとしてるの?」




「いや!そういうわけじゃ…」




私を睨みつけた先輩の目は大きくて、まつげも長い。



おまけに肌も綺麗だし、先輩ってこんなに綺麗な顔してたんだーーーーー。




「見とれてんの?(笑)」




「あ、す…すみません!」




「目そらさないで。」




「…っ!」




「………へぇ、お前意外と可愛いじゃん」




か…かわいい?!



そらしたいけどそらせない視線。



先輩が近づいてくる。




「ま、同居人として届出も出してきたし、これから仲良くしような〜?」



先輩の笑顔が、なぜか含み笑いのような、怪しい雰囲気に感じられた。



あたしは、生まれて初めてお父さん以外の男の人と住むことになった。