気まぐれ系女子、普通の幸せゲットします。

要とバイクnow
葉月は考えていた。
瑠美め動き出したか。しかし今回のやり方はなんか引っ掛かる。頭はいいらしいが
やり方が周到というかやり方がらしくない。いじめのときは短絡的で単純、今回は徐々に
幹部達を丸め込んでいく、やり方が違いすぎる。

ーーーーーーーーーーーーーーー黒幕がいる?
そこまで考えたところで要に話し掛けられた。
要「葉月」
葉月「?」
要「さっきのことだけど、」
葉月「私の気まぐれについて?」
要「うん。あいつらは否定的だったけど、俺はいいと思う。」
葉月「何で?」
要「確かに、計画性はないけど、決めたことに一生懸命なところとか、
  何事も楽しめるところはいいと思う。」
葉月「何でそう思うの?」
要「ケンカを教えてたとき、一生懸命だった。毎日毎日辛い練習をして、それに、自主練もしてた
  でしょ?気付いてたから。決めたことに一生懸命だったから計画性がなくてもいい結果が出てたん
  でしょ。それは運とかじゃなくて、葉月が努力した結果。
  だから周りがとやかくいう資格はないと思う。俺は葉月のそういうとこ、
  好きだよ。」
葉月「要…ありがと。」
要「葉月、俺と付き合って?」
葉月「私も要のこと好きだよ。こんな計画性がなくて気まぐれでいいなら
   喜んで。」
要「ありがと。絶対裏切らないから。」
葉月「私も絶対裏切らないし。」
しばしの沈黙。
要「着いた」
葉月「ありがと。ちょっとあがって。話したいことがあるの。」
要「お邪魔します。」
葉月「どうぞ。」
ちなみに、葉月の部屋はマンション一階のワンルームだ。
葉月「座って。飲み物はお茶でいい?」
要「お構い無く」
コトッ
葉月「話っていうのはね…」
葉月はさっきバイクの上で考えていたことを話した。
葉月「だからね、近々何かあると思うから、その時は信じてね。」
要「分かった。」
そうして要は帰って行った。
翌日、
瑠美「話があるの。葉月ちゃんちょっと来てくれる?」
録音開始  
この機会にICレコーダーを入手しておきました。
スマホとかのアプリより断然高性能!
長時間録音可能!音質よし!コンパクト!開発した人マジリスペクト
葉月「ここじゃ駄目なの」
瑠美「駄目」
葉月「ふーん、聞かれちゃいけないような話なんだ。」
瑠美「いっいいから来なさいよ!」
葉月「光輝達は?」
瑠美「別にいいでしょ。関係ないじゃない。」
葉月「関係あるんじゃない?私も瑠美ちゃんは桜翔の姫なんだから、
   聞かれちゃいけない話は光輝達の立ち会いが必要
   じゃない?」
瑠美「なっ!」
咲里「さっきから聞いてればさあ、屁理屈ばっかり言ってないで行けばいいじゃない。
   瑠美が可哀想よ。」
彼女は前田咲里(まえださくり)、薄い金のストレートの髪を腰まで伸ばしている、
クラスのリーダー的存在である。はい出たスクールカーストトップーうぇーいww
って私は何を…
彼女は身長推定160㎝、顔は綺麗系。羨ましいゼ!
友達の居ないどっかの誰かさんと違って取り巻きも多い。
葉月「…分かった。行く。」
咲里「始めっからそう言えばいいのよ。」
彼女に逆らうのは得策ではない。行くか。
着いた。
葉月「なんなのよ」
瑠美「あんた桜翔辞めなさいよ!」
葉月「またそれ?姫になれたんだからいいじゃない。」
瑠美「桜翔にあんたは要らないの。」
葉月「ふーん、じゃあ質問していい?」
瑠美「駄目よ」
葉月「正直に答えたらやめてもいいって言ったら?」
瑠美「いくつあるの」
葉月「二つよ」
瑠美「約束よ?」
葉月「考えとく」
瑠美「とっとと質問しなさいよ!」
葉月「じゃあ一つ目」
葉月「あなたは誰と組んだの?」
瑠美「…!なぜそれを?」
葉月「いいから答えて」
瑠美「…ッチ!前田咲里様よ」
葉月「彼女の目的は?」
瑠美「桜翔の姫になることよ。もういいでしょ?」
葉月「ふーん、あんたもバカだね。」
瑠美「なっ何よ!」
葉月「利益のないことに必死になるなんて、バッカみたい。」
瑠美「ふん!バカはそっちよ、咲里様が姫になれば私は組の後ろ楯や学校でのそれなりの
   地位も約束される。あんたをいじめて自殺に追い込んでやる!覚えてろ!」
そう言って瑠美は走り去って行った。
ーーーーーーーーーーーーーーー成る程ね、上手く挑発に乗ってくれて良かった。
               …ていうか、前田咲里もあんなのが駒でいいのかしら。
               私の周りはバカが多い気がする。要は最高だけど♥
呼び出しから戻った葉月は倉庫に来ていた。要も来てるらしい。
ガチャ
下っぱ「葉月さん!お久しぶりっす!」
葉月「久しぶり~ちょっと幹部室行って来るね。」
下っぱ「はいっす!」
カンカンカン…ガチャ
瑠美「それでね、○○がね~」
伊織「わぁ面白いね!」
亮「あっはっは!お前バカだろ!」
優「そうですね。」
光輝「っふ…」
要「あっ葉月」
葉月「倉庫に来たから顔だしてみたんだけど、要らなかったみたいね。」
要「葉月…」
葉月「下で遊んで来るね。」
要「俺も行く。」
カンカンカン…
下っぱ「あっ!葉月さん!要さん!」
葉月「何して遊ぶ?」
下っぱ「ドッジボールしましょうよ!」
下っぱ「うおおおおおおおお!」
下っぱ「うわっ!危ねぇ!」
バン!
下っぱ「当たっちまった!要さんすいません!」
パシッ!
葉月「せいやあああ!」
バンバン!
葉月「ダブル来たああああああ!」
下っぱ「葉月さんパネェっす!」
下っぱ「スゲーっす葉月さん!」
下っぱ「尊敬しまっす!」
ドッジボールでバカみたいに盛り上がる暴走族。倉庫は熱気に包まれていた。
要「負けた…」
葉月「よーし!次はコート交換してやるぞーー!」
下っぱ「おおおおおおおおお!」

ワアアアアアアアアアアアアアアアア!
倉庫は再び熱狂した。