「よろしくてよ」

「シラ、私は……」

「姫はちょっと黙っていてください」

「ふふ、貴女はメイドの躾も出来ないのね」

「エレアノーラ様、私は貴女が嫌いです。姫が貴女と仲良くなりたいと仰っていたので口を噤んでおりました。しかし、その態度は如何なものでしょう。姫を軽んじる言動や行動が今後、国を左右すると分からないのでしょうか?」

「私に国のことを言われましても、ねぇ? 戦をしたいなら、なさったらいいわ」

「貴女は御父君がやっとの思いで手にした〝平和〟を投げ出すつもりですか?」

「父を知ってるの?」