「私が貴女と仲良くしてなんのメリットがあるのかしら?」

「メリット? メリットがあれば私とお友達になってくださるの?」

「ええ。考えてさしあげるわ」

「シラ」

「はい。姫」

「この間、届いたアレを持ってきて」

 カタリーナ様の声に呼応するのは、私を睨み付けるメイド。彼女の手には紺色の箱があり、ベロア調の生地からは中身が何か容易に分かった。